日本社会教育史

2021年刊。 大串隆吉・田所祐史 著 / 定価(本体2,000円+消費税)/ A5判並製/208頁/ ISBN978-4-8420-8530-2

学校での教育課程を終了した青少年・成人に行われる教育活動である社会教育活動は、明治維新以降、支配階級の社会教育観に基づく社会教育行政と、民衆が生活の向上を求めて「民衆の必要」から湧き出た自己教育運動との二つの側面を持ち、ともに公教育性を持って存在してきた。そして人々は、自己教育の場を確保するために運動し、相互教育のために人々が集まり、条件を改善するための活動を続けていく。時代の流れとともに様々に形を変えてきた日本の社会教育の歴史を、明治維新から敗戦まで、敗戦から20世紀末までの2部構成で丁寧に読み解く。


書籍 主要目次

第1部 明治維新から敗戦まで
【第1章】社会教育思想の発生と自己教育運動
  近代化のために社会教育を/労働者教育の登場/基礎教育の重視と終生教育へ/日露戦争と「時代閉塞の現状」
【第2章】社会教育行政の確立
  臨時教育会議/インフルエンザ予防から公衆衛生へ/社会教育団体の組織化
【第3章】社会教育施設希求の動き
  新聞縦覧所と書籍館/小学校校舎/農村公会堂/青年施設/社会教育独自施設の希求/川本宇之介の施設論とセツルメント/施設設置の発送の萌芽
【第4章】自己教育運動の発展
  女性の社会教育/労働問題を解決する社会教育/無産農民学校/上越農民学校と少年団/木崎夏期大学と自由大学
【第5章】青年会自主化運動の展開
  青年会自主化運動の発生/教育機会の創造・女子青年会/自由化をめぐる対立/昭和大恐慌下の中の青年会自主化運動/軍事教育反対運動
【第6章】抵抗の社会教育
  社会教育政策のファシズム化/大東亜共栄圏のための社会教育/社会教育政策の文化政策への統合/抵抗の社会教育/自己教育運動の中断と遺産

第2部 敗戦から20世紀末まで
【第1章】新教育制度の誕生と社会教育法の制定
  占領下の政策と自己教育運動の復活・再生/占領下の社会教育行政/日本国憲法・教育基本法と社会教育/公民館と社会教育法/冷戦下の占領政策転換と社会教育
【第2章】平和学習と近代的・民主的主体形成
  平和学習を担う社会教育/青年学級振興法/共同学習と生活記録/サークル活動の発展と社会のしくみの学習/うたごえ運動と文化活動への着目/社会教育政策をめぐる対立/社会教育をめぐる南と北
【第3章】高度経済成長の矛盾と自己教育運動
  開発計画の出現/学習主体の変容/生産者・生活者の学び/労働者教育と職業技術教育/生きがいの浮上/公害問題の学習/子どもの社会教育および社会同和教育/自治体社会教育の充実のために
【終 章】生涯教育が登場した時代