財政規律の研究 ――ドイツ憲法上の起債制限

2018年刊。 石森久広 著/ 定価(本体5,500円+消費税)/ A5判上製/264頁/ ISBN978-4-8420-1522-4

◆巨額の財政赤字にどう対処するか◆
巨額の財政赤字を抱え財政規律が機能しない状況に陥っているわが国において、この現状にどう対処するか。
ドイツの状況を詳しく検討することによって、わが国の今後の方向性を公法学の立場から提起する。


書籍 主要目次
【序章】
【第 1章】 ドイツにおける憲法上の公債規定の変遷
  1949年基本法制定までの憲法上の公債規定の変遷/2009年改正までの基本法上の公債規定改正の変遷/ゴールデン・ルール下の連邦憲法裁判所判決/2009年改正による基本法上の公債規定
【第 2章】 基本法上の旧規定「ゴールデン・ルール」
  公債の意義と問題/「ゴールデン・ルール」の問題点
【第 3章】 連邦憲法裁判所1989年判決――「ゴールデン・ルール」の転換点
  1980年代までの州憲法裁判所判決/連邦憲法裁判所1989年判決/連邦憲法裁判所への訴訟提起までの判例・学説の状況/連邦憲法裁判所への訴訟提起後における学説の関心の上昇
【第 4章】 連邦憲法裁判所2007年判決――「ゴールデン・ルール」の終焉
  事実の概要と法廷意見の要旨/特別意見の要旨/論点の整理と論点の素描
【第 5章】 「起債ブレーキ」導入の背景と成立過程
 [T]第2次連邦制度調査会における専門有識者ヒアリング
   調査会スタートから専門有識者ヒアリング前までの状況/起債制限3案/サンクション・早期警戒システム/その他
 [U]第2次連邦調査会における連邦財務省案の提示
   連邦財務省内部での検討の始まり/連邦財務省内部における検討の加速/連邦財務省案
 [V]議会での可決・成立に向けて
   座長による論点ペーパー/調査会の結論/議会における「起債ブレーキ」の成立
【第 6章】 基本法上の新規定「起債ブレーキ」
  「起債ブレーキ」の原則/「起債ブレーキ」の例外/「起債ブレーキ」の課題/わが国財政法4条への示唆/補論――「起債ブレーキ」導入直後の各州憲法における対応
【第 7章】 「起債ブレーキ」導入の国際的背景
 [T]EUの公債ルールとドイツ
   「起債ブレーキ」導入時のEU公債ルール/「起債ブレーキ導入」へのヨーロッパの影響
 [U]ドイツが参考にしたスイス憲法上の起債ブレーキ・ルール
   スイスの起債ブレーキ・ルール/スイスの起債ブレーキ・ルールの意義と課題
【第 8章】 財政緊急事態早期警戒システムと安定化委員会
  ドイツにおける「財政政策委員会」/財政緊急事態早期警戒システムと安定化委員会の設立/安定化委員会制度設計の評価/財政規律へのコミットメント強化の手懸り
【第 9章】 「起債ブレーキ」と会計検査院
  起債制限にかかる旧規律と会計検査院/起債制限にかかる新規律と会計検査院/会計検査院から見た新規律の効果と課題/補論――公債制限に関する国際的な試みと会計検査院
【第10章】 わが国の財政民主主義と財政規律
  財政と「民意」/「財政を処理する権限]のコントロール/「財政を決定する権限]のコントロール――起債制限を素材に
【巻末資料】 ドイツにおける憲法上の公債規定の変遷/連邦憲法裁判所2007年判決