健康の謎を解く ――ストレス対処と健康保持のメカニズム

2001年刊。 アーロン・アントノフスキー著 山崎 喜比古・吉井 清子 監訳/ 定価(本体3800円+消費税)/ A5判上製/288頁/ ISBN4-8420-6560-5

強制収容所の生還者の3割もが精神健康を保っていた! 極限の恐怖を彼らはどう乗り越えたのか?!  米国の健康社会学の泰斗が切り開いた全く新しい健康観=ストレス対処能力SOC(首尾一貫感覚)とは?  世界の保健医療福祉・教育関係者を魅了した待望の翻訳。


書籍 主要目次
訳者まえがき/原著者まえがき/原著における著者紹介/凡例

1章 健康・病気の新しい見方のために
  連続体としてみるか、二分法でみるか/人のストーリーをみるか、疾病をみるか/健康要因とリスク要因/ストレッサーは、疾病生成的か、中立的か、それとも健康生成的か/適応を探るか、魔法の弾丸を探るか/「逸脱ケースにまで目を向けるか、仮説の確証で満足するか/疾病生成論と健康生成論は相互補完的な関係

2章 「首尾一貫感覚SOC」とは何か
  把握可能感と処理可能感と有意味感/3つの構成要素間の関係/世界の境界/強いSOCと硬いSOC/汎抵抗欠損としてのストレッサー

3章 SOC概念と他の健康観の類似性
  コバサの堅忍不抜性概念/ボイスの永続感/ムースの環境システムと社会的風土/ワーナーの研究/ライスの研究/SOCと他の5つのモデルとの比較/SOCと部分的に類似するその他の概念

4章 SOC概念の測定:新しいスケール
  予備的研究:苦難の経験者へのインタビュー/SOC質問票の作成過程/SOC質問票がもつ心理測定上の諸特性感/SOCにおける把握可能感・処理可能感・有意味感

5章 SOCは生涯どのように発達するか
  人生経験とその文脈/乳幼児期と子ども時代におけるSOCの発達/思春期におけるSOCの発達/成人期におけるSOCの発達と固定化/SOCのダイナミックス/SOCを意図的に変化させることは可能か

6章 対処の成功と健康への道
  ストレッサーと緊張/ストレッサーがもたらす問題を定義する。緊張の解決と強いSOC・感情に対処することと強いSOC

7章 今後解明されるべき問題
  混沌からの秩序/集団特性としてのSOC/健康とウェルビーイング/SOCは状態?性格特性?志向性?

訳出にあたって
付録:SOC質問票